Hot! 企業訪問 Vol.04 【株式会社 清光社 – 後編】

 

「機械人Z編集部」が注目している『とても気になる!Hotな企業!』を実際に訪問し、現場の方々から興味深い「生の声」を発信する『Hot! 企業訪問!』第4回目(Vol.04)は、このサイト『機械人Z』を提供している、機械部品商社の株式会社 清光社です。

今回のインタビューでは、株式会社 清光社の社長 豊吉康夫氏に、機械&ロボット産業界の現状や、海外と日本の状況、また機械&ロボット産業の未来、そして『機械人Z』を運営する狙いについてお話を伺ってきました。

今回の記事は【後編】となります。【前編】とあわせてお読みください。

■  株式会社 清光社 豊吉康夫 社長

DSC_5575_resized

 ■  業界における日本メーカの優位性は?

【編集部】業界に精通されている豊吉社長からみて、日本の機械&ロボットメーカーの優位性はどのように見られていますか? 最近は中国の機械産業メーカーの世界進出が話題になったりしていますが?

【豊吉氏】現在、ベアリングや直動、モーターやリニアスケール、各種センサーといった要素部品に関して、日本はトップレベルの水準を維持していると思います。実際に世界中の産業機械やロボットも、内部の要素部品は日本製を使っているものがとても多いです。日本製の要素部品は『日本メーカー』というブランディングが強く、これは戦後の日本の「ものづくり文化」にて積み上げられてきた技術の結晶の成果であると感じています。

今後、それぞれの要素部品に対しては海外メーカーなどで競合もでてくるとは思いますが、これらの要素部品を組み合わせてチューニングし、ひとつの製品として精度の高い産業機械やロボットを創りあげる総合力は、まだまだ日本メーカーがアドバンテージを持っていると思います。

【編集部】日本のメーカーは、なぜそのようなアドバンテージを手に入れることができたのでしょうか?

【豊吉氏】メカトロニクスの世界では、やはり机上の計算だけでは「もの作り」は成り立たちません。もちろんCADで書かれた図面は大切ですが、それ以外にも摩擦や慣性、金属素材に関する知識など、現場における経験値に基づくチューニングや調整が、よりよい製品作りにはとても大切な要素となります。こういった熟練の経験則や知識が十分にあった上でのトライ&エラーの繰り返しが、今までの日本の機械産業を支えてきたのだと思います。

【編集部】熟練の経験則の積み上げに日本メーカーの強さがありそうですね。

【豊吉氏】そうですね。そういった意味では海外のメーカーが企業買収などを行い、この業界に新規参入しても、なかなかすぐに品質のよい製品を作り出せない理由はこのあたりにあるのかもしれません。

最近では中国メーカーなどの業界進出が話題になっていますが、日本メーカーは前述のアドバンテージを正しく理解し、それに甘んじることなく技術の継承を行い、切磋琢磨を続けることでその強みを最大限に引き出せると思います。

seitoyo001_Fotor

■ ニッポンの巧(たくみ)の世界について

【編集部】まさに「ニッポンのモノ作り」ですね。日本では昔から「巧(たくみ)」という言葉もありますが、その面でなにか感じるところはありますか?

【豊吉氏】日本は昔から島国であったこともあり、世界的にも非常に独創性の高い「巧」の伝統文化を継承してきています。またそれが現在の日本の機械産業界にも大きな影響を与えてきたと感じています。似ている国ででいうとドイツは「マイスター制度」により、そういった伝統技術の継承を守ろうとしています。

【編集部】最近注目度が高い中国はいかがでしょうか?

【豊吉氏】中国も本来、日本よりも古い時代から「巧」の伝統文化や工芸技術があったと思います。ただ中国の場合は「文化大革命」の時代に、そういった長年培ってきた伝統が否定されてしまったことで、一度リセットされてしまった感があります。現代の中国はめざましい経済発展により、チャイナマネーと呼ばれる資金力で、世界中の機械産業メーカーに出資したり買収したりしていますが、先ほど申し上げた伝統技術やイズムまでは継承できていない気がしています。もし中国が、そういった過去の素晴らしい伝統技術を面々と継承していたら、とんでもない脅威になっていたかもしれません。

【編集部】歴史観も合わせたお話、とても興味深いですね。

seitoyo004_Fotor

■ 機械人Zを立ち上げた理由

【編集部】今までのお話と、機械人Zを立ち上げた理由も何か関連性がありますか?

【豊吉氏】先ほどの話にも通じるのですが、現代社会では ITやスマートフォンなどの普及により、いままで大切にされてきた「巧」の世界が、どの産業界においても薄れている気がしており、そこに対する不安を感じていました。

もちろん世の中がどんどん便利になること自体はとてもよいことなのですが、世の中のトレンドがそういった流行の業界に集中してきており、もともと日本人が持っていた「巧」の世界、机上の計算だけでは到底たどり着けない「熟練の技」といった、日本の本来の強みである製造業への興味を、いまの若い世代や学生の方々に少しでも持ってもらえればという思いがありました。

seitoyo003_Fotor

■ 機械系産業の「縁の下の力持ち」

【編集部】確かに最近では、IT産業や金融や保険といった業界が人気ですね。清光社として機械人Zによる情報提供だけでなく、具体的にリアルな世界でも何かサポートできるところはありますか?

【豊吉氏】清光社は、機械系の専門商社なのでもの作りをしている企業やベンチャー、学生・団体などを「縁の下の力持ち」的にサポートしていきたいと考えています。

我々は様々な企業との取引の中で、多数の経験と実績を積んできています。例えばある機械やロボットをつくる際に、どんな部品を使うのが一番パフォーマンスがでるのか? 直面している課題をどうすれば解決できるのか?といったナレッジを豊富に持っています。

【編集部】御社は機械系商社として1945年(昭和20年)に創業されてから72年という長い歴史がありますから、業界とのお付き合いも広いし、様々な提案や解決策を提示できそうですね。

【豊吉氏】我々はワインに例えるとソムリエのようなものだと感じています。こんなワインが飲みたいといえば探してきてくれる、またそのワインにあう料理まで探してきてくれる... そんな企業であり続けたいと考えています。

seitoyo002_Fotor

【編集部】まさに機械業界のソムリエですね(笑)。

【豊吉氏】そうですね(笑)。特にベンチャーの方々や、機械系の学生や団体などのお手伝いには全社的に注力していますので、なにかお困りのことがあれば、遠慮なくどんどん当社にお問合せをいただければ、出来る限りの支援をしていきたいと考えています。

【編集部】ベンチャーや学生さんにとってはとても頼もしい存在ですね。清光社のような機械系商社がバックアップするプロジェクトは成功率も確実にあがると思います。本日はとても楽しく興味深いお話をありがとうございました。

 

<編集後記>

清光社の豊吉社長は、元総合商社出身ということもあり、とてもバイタリティーとパッション溢れるとても魅力的な社長さんでした。会社としてベンチャーや学生・団体を支援しているということなので、皆さん何かお困りのことがあれば、同社のホームページにある「お問合せ」からコンタクトしてみてください! きっと清光社が新たな解決策を見いだしてくれると思います。

■ 清光社オフィシャルサイト「お問合せ先」

http://www.sks-seikousha.co.jp/inquiry.cgi

 

◎  今回のインタビュー記事は【後編】となります。

次回【前編】では、株式会社 清光社の概要や、豊吉社長による機械&ロボット産業に関する見解、またロボットのAI化などについてお話を伺っていますので、こちらもあわせてお読みください。

前編記事 ⇒ Hot! 企業訪問 Vol.03 【株式会社 清光社 – 前編】

 

Share and Enjoy

  • Facebook
  • Twitter
  • Delicious
  • LinkedIn
  • StumbleUpon
  • Add to favorites
  • Email
  • RSS
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事

注目ピックアップ記事

  1. 2018-07-11 8.24.46
    今回ご紹介するのは、海に浮かび自動で24時間休みなく、海に浮遊するゴミを回収して…
  2. SUBLUE  2018-07-11 7.10.03
    今回ご紹介するのは、高速で水中を移動することができる水中スクーターです。まずはこ…
  3. 2018-07-11 8.01.32
    今回ご紹介するのは、信じられないような動きを可能とした実在する驚きの動物ロボット…
  4. 2018-02-08 7.34.06
    今回ご紹介する動画は、見ないと損!という世界中で開発された、とてもユニークで興味…
  5. 2018-02-13 7.32.55
    今回ご紹介するのは、2年前のCES2016で世界中の注目を集めた「有人ドローン」…
  6. 2018-02-27 6.33.45
    空飛ぶタクシーが登場 今回ご紹介するのは、欧州の旅客機開発で有名なエアバス…
  7. 2018-04-20 10.10.27
    今回ご紹介するのは、ダイバーシティ東京プラザに登場した、最新掃除ロボットの紹介です。まずはこちらの動…

注目イベント

  1. glafitbike0001
    自転車? バイク? ハイブリッドバイクの登場 今回ご紹介するのは「人々の移動をもっ…
  2. スクリーンショット 2016-10-05 9.17.51
    いよいよCEATAC JAPANが始まりました! 2016年のCEATEC JAP…
  3. iStock_000046450326_Small_resized
    最新のサービス・ロボットが大阪に集結! サービスロボットの開発技術に特化した技術展…
  4. スクリーンショット 2016-02-09 8.25.21
    「CNET Japan LIVE 2016」が開催 2016年2月18日に、「CN…
  5. スクリーンショット 2016-01-21 10.03.55
    情報教育SIG第4回 情報教育研究会 ~ヒューマノイドロボット活用のアイデアソン・…

オススメ商品

  1. maxresdefault_resized
    水中を自由に動き回る水中ドローンが話題に! 空を飛ぶドローンがかなり普及してきまし…
  2. 2018-01-26 8.41.49
    ■ 超高機能な『スマート首輪』が話題に 今回紹介するのは、犬好きな方が大注…
  3. FOBO0001
    スマホでタイヤの空気圧がわかるデバイスが登場 今回ご紹介するのは、マレーシアの S…
  4. 3Doodler0003
    ペンで描くように立体作品を創れるペン型3Dプリンター 今回ご紹介するのは、まるでペ…
  5. stanleyrobotics0001
    画期的な最新駐車場ロボットが登場! 今回ご紹介するのはフランスで開発が進んでいる、…

カテゴリで絞り込み

ページ上部へ戻る