「アンドロイドと共に生きる未来」に興味がある方にオススメの一冊です!
本書は2018年8月に二松学舎大学で開催された漱石アンドロイドをめぐるシンポジウム「誰が漱石を甦らせる権利をもつのか?――偉人アンドロイド基本原則を考える」で展開された議論を一つの核としつつ、アンドロイドが本格的にわたしたちの社会に入ってくる未来についてさまざまな観点から考えていく一冊です。
夏目漱石のアンドロイドを制作し運用していくなかで、本書の執筆者らはさまざまな課題や疑問にぶつかることになりました。その経験から出発して、そもそもアンドロイドとは何か、そこにはどのような可能性があり、どのような問題が潜んでいるのかについて、本書は掘り下げていきます。
本書のハイライトは、これから社会がアンドロイドとどのように付き合ってくべきかを考えていくための足場となる「アンドロイド基本原則」案です。わたしたちはアンドロイドの制作と運用に対して、いかなる権利と義務をもっているのでしょうか。この正解のない問いをめぐっての格闘の成果が、「アンドロイド基本原則」の提案としてまとめられています。
なお、本書末尾の特別付録として、シンポジウムのオープニングアクトとして上演された、演出家で劇作家の平田オリザ氏作・演出の漱石アンドロイド演劇『手紙』の脚本が収録されています(『手紙』の動画は、二松学舎大学の関連サイトからご覧いただけます)。